子犬系男子の溺愛っぷり。

「ちょっと、おいで」


手招きをされるがまま、朔真さんの後をついて行くとホールに連れてかれた。


休憩中なのにどうしてここに行くのかさっぱり分からない。

…だけどさっきの言葉が気になって。


「…何で、」


それしか出なかった。

出なかったんじゃない。


その言葉しか出せなかった…。


だってーー…

あたしの目の前には今一番に会いたい人がいたから。


「久しぶり、怜先輩」

「…っ」


…あぁ。裕貴君の声だ。

あたしが今欲しかった声。


"嬉しい"と"驚き"の感情が入り混じった感じがする。

どっちが上なのか分からない。


それでも会えたことに対しては嬉しくてたまらないんだ…。


だけど、どうして……?

ここでバイトしてるのを知ってたの?


「一昨日連絡取れなくて心配になって今日怜先輩の家に行ったんです。そしたら怜先輩のお母さんがここにいるよって教えてくれまして…」

「あー…ごめん。一昨日すぐ寝ちゃって気づかなかった」

「大丈夫ですよ。逆に家にまで行っちゃってすみません」

「ううん。心配かけて、ごめん」