子犬系男子の溺愛っぷり。

ーー…


「いらっしゃいませ。」


今日はバイトの最終日。

クリスマス前という事で家族連れやカップルが多く見られる。


ケーキ屋さんはこの時期が一番繁盛するというのは納得するくらい人が多くて列が出来ている。


今日疲れそう…。

人の多さに少しだけ酔う。


「すみません、これください」

「かしこまりました。」

「名前入れてもらっていいですか?」

「かしこまりました。少々お時間を頂きますが…」

「大丈夫です」


名前入れをお願いする為に朔真さんを呼ぶと、『了解!』とふんわりと優しい笑顔を添えてくれた。


名前入れが終わると可愛らしくラッピングをしてお客様にお渡しすると、『ありがとう』と嬉しそうに微笑んでいた。


バイトをしてみて分かった事だけど、仕事はもちろん大変だけどこうやってお客様に"ありがとう"って言ってもらえる喜び。

それが凄くどんなに嬉しい事なのか。


大変な仕事も"ありがとう"ってその言葉だけで疲れが一気に吹き飛ぶ。


自分には接客なんて向いてないって思った時もあったけど、実際働いてみないと何も分からない。


案外向いてるのかも…。


「黒瀬さんの笑顔は本当にいいね。俺も癒されちゃうよ」

「い、いやいや。そんな事ないです」


…朔真さん。

あなたの方が笑顔が素敵ですよ。

眩しいくらい輝いてます。