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2学期も終わり冬休み真っ最中。

只今短期アルバイト中。


その理由はもちろんクリスマスプレゼントを買うために。


詩織のいとこのケーキ屋さんで短期で雇ってもらえる事になった。

…裕貴君にはアルバイトをするという事は一言も言っていない。


仮に言ったとしてもダメって言われそうな気がしたから。


「すみませ〜ん!これください」

「かしこまりました」


接客業は全くと言っていいほど慣れていなくて笑顔がぎこちない。

それでも笑顔を絶やさず努力をする。


「ありがとうございました」


その後にしっかりと頭を下げて、それと共にとびきりの笑顔をしなきゃいけないのだけれど…

表情筋が固すぎる!


「黒瀬さんがいてくれると看板娘になってお客さんが凄いなぁ」

「い、いえ。そんな事ないです」


詩織のいとこの朔真(さくま)さん。

あたしとは4つしか変わらないというのに大人で落ち着いている。