子犬系男子の溺愛っぷり。

おかげで廊下や教室は女子の叫び声で溢れ返っている。


「…」


この状況どうすればいいのよ。

どうやって帰ればいいのよ。


裕貴君のせいじゃん…!

注目の的になるなんて嫌なのに。


「怜先輩、そんな怒らないで?」

「む……っ」


あたしの顔は怒りでいっぱいになっているはず。

それなのに裕貴君の子犬系の顔を見るとどうしても強く言えない。


この顔にあたしは弱いのに…。


こうやって甘えた顔をついつい許してしまうからいけないんだけどさ。


「もう帰る」

「え、ちょ…待ってくださいよー!」


今日はテストだけだから午後は授業もなくて下校する事が出来る。


本当は一緒に帰りたいところだけど今日は止めとこう。

恥ずかしい思いをしたのだけはどうしても許せないもん…!


しかも1年の教室で。

あり得ないっつーの!


「怜先輩一緒に帰ろうよ?俺、せっかく今日まで我慢したのに…」

「…」

「ご褒美とか欲しいなぁ?」