少し意地悪な裕貴君も好き。

…絶対言ってやらないけど。


「怜先輩。そんな顔しても可愛いだけだよ?それともまたキスされたいですか?どうします?」

「し、しない!しないから!」

「あー…怜先輩、可愛すぎる。
抱きしめてこのまま連れて帰りたい」


…何なの、本当に。

裕貴君ストレートすぎるよ。


一つ一つの言葉があたしの胸に突き刺さるようにドキドキする。

いつも余裕な裕貴君はドキドキなんてしないだろうけど…。


「ほら、怜先輩帰りましょう?」

「…うん」


差し出された手にソっと触れると、『そうじゃないよ』って言って、指を絡められていわゆる恋人繋ぎ。


…何か、やらしーな。

でも素直に嬉しいのも事実。


薄暗い外は怖かったけど繋がれている右手が温かくて裕貴君が隣にいて、全然怖くなかったーー…