子犬系男子の溺愛っぷり。

「え、……」


ちょっと待って。

嬉しい。けど、複雑だよ。


今こんな格好してるのに…

この格好だけは見られたくなかった。


「怜先輩、ドレス似合ってますね!」

「…ありが、とう」

「…けど、その格好みんなには見せてほしくないなぁ」


あ、れ…?

さっきまで笑顔全開だったのに今の夏目君は口を尖らせて拗ねているようで。


どうしたんだろう?


「怜先輩のそんな姿、他の男には見せてほしくない。…俺の怜先輩なのに」

「…!」


"俺の怜先輩"って…

そんな恥ずかしい事をサラっと。


年下の夏目君にドキドキするのが悔しい、けど嬉しかったり。


「怜先輩、ちょっと来てください」

「え、ちょ…っ」


いきなり腕を掴まれて、そのまま走って教室を連れ出される。


教室を出る際に聞こえてきた「えぇ!?何事?黒瀬さーん!!」というクラスメイトの声が耳に響く。


抜け出してしまった事への申し訳ない気持ちと、夏目君に連れ出されて嬉しい気持ちが入り混ざってる。


「あの、…」


夏目君に声をかけてみても全く返事をしてくれなくて。

掴まれている腕が徐々に熱くなってるのを感じる。