「あ、じゃあ俺そろそろ教室に戻りますので!怜先輩また来ますね!」

「うん」


夏目君が教室に戻って行くのが名残惜しいというか寂しいような…

好きが増えていくと共に欲張りになってきてる気がする。


もう少し一緒にいたいって、行かないでほしいって。


「あ、言い忘れてた。俺は、怜先輩にしか興味ないし怜先輩しか眼中にないですから。そこだけは忘れないでくださいね!それじゃあ!」


廊下を走って行く夏目君。

後ろ姿に向かって"好き"と一言だけ呟いた。

届くはずがないと分かっていてもどうしても言いたかった。


夏目君、ありがとう。

今の言葉嬉しかったよ。

ちゃんと気持ち伝えるから…


それまで待っててくれますか?