子犬系男子の溺愛っぷり。

あたしと夏目君の間に流れる空気だけが、周りと違って感じた。


「あ、の…」


いてもたってもいられなくなり口を開いてみるけど、思ったように上手く話せなくて。

どうにか伝わるように念を送ってみる。

目が合うと、ニコっと笑って頬に触れていた手をソっ…と離した。


何とか気づいてもらえたみたい。

夏目君は何もなかったみたいにいつも通りで、あたしだけが挙動不審になっていた。


それが、ちょっぴり悔しくてムスっとすると

「先輩ほっぺた膨らんでるよ?」って笑いながら言われた。


いつもと変わらない夏目君が目の前にいて、それを遠くから眺めているクラスメイトと他クラスの人達。


「先輩の寝顔見たかったなぁ〜」


ほら、サラっと変態発言。

それもいつもの笑顔付きで。

それを聞いた女子は、『キャー!』と黄色い歓声を上げていた。


すぐそうやって口説き文句みたいな事言えるんだから……