子犬系男子の溺愛っぷり。

「…詩織に聞いてほしい事がある」

「うん!もちろんだよ」


屈託のない笑顔には、"本当は知ってるけどね"なんて言われているような気がしてならない。

だけど、これはあたしが言葉にする事に意味があると思うから。


「あたし、……夏目君の事、いつの間にか好きになってたみたい」

「ふふっ。まさか怜が本当に好きになるとは思ってなかったけど、良かったね!おめでとう」

「…あり、がと」


祝福されるのが慣れなくて少しばかりむず痒くなる。

自分の事だからこそ照れくさいような嬉しいような…


夏目君を好きになって、いろんな事が分かった気がする。

もちろんいい意味の方で。


「いやー、ついに怜が恋かぁ!何かわくわくしちゃうな」

「何でよ」

「だって怜だよ?恋してこなかったあの怜が!恋したんだよ!?楽しみに決まってるじゃん」


まるで自分の事のように嬉しそうにはしゃいでいるから、それを見てるこっちまで嬉しくなってしまう。

詩織がこんなに喜んでくれるとは思ってなくて半分戸惑いもあるけど、それ以上に大切な友達に話せて良かったって心から思ってる。


いつもあたしの事を気にかけてくれていた詩織だからこそ。

言葉にするのは苦手だから、"ありがとう"って心の中で呟いた。


そしたらタイミング良く詩織があたしの方を見るもんだから、心の声まで聞こえるのかなってちょっとおかしくなった。