子犬系男子の溺愛っぷり。

答える変わりに小さく頷いた。


「先輩の寝起き可愛いですね」

サラっと平然な顔して言った。


周りで聞き耳を立てていた女子が、

『あんな事言われたい〜』

と完全にメロメロになっていた。


夏目君、少しは気づきなよ。

周りの女子を虜にしちゃってる事に。


"人気者"なだけあって夏目君が口にする事は、衝撃波が凄すぎる。

同級生の男子は呆れたように女子を見ていて少し可哀想に思えた。


「先輩、ここ跡付いてる」

「………え」


一瞬何が起きたのか分からない。

その場の空気だけが止まったみたいに。

でも、確かに現実で。

夏目君の手が、あたしの頬に触れていた。


目の前にいる夏目君は、いつもの表情だけど雰囲気が少しだけ違って見える。


「…っ、」


思わず息を飲んだ。