タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

結構いい根性してるわ、このアザレア姫様って。


自分の故郷と緊張状態にある、この軍事大国にたった一人で嫁ぎに来て、この態度か。


「それにしても、なんだあの男は。あれでこの国の王子なのか?」


ブランが呆れたように小声で呟いた。


「男のクセに、自分の嫁も御せないのかよ? ダメだありゃ。嫁をもらう資格なしだな」


・・・あんたがそれを偉そうに言うのも、正直ムカつくわ。


でも今この会場を覆っている空気は、まさにその意見。


姫のいい根性な態度があっぱれ過ぎて、王子の不甲斐なさが際立っちゃってる。


王様もそんなスエルツ王子にイラついてるみたい。


「戦い」と「勝利」に人生捧げてきた、典型的な肉食タイプだからなぁ。


そりゃあ軟弱系の男はお気に召さないだろう。


それが自分の血を引いた息子なら、なおさらだ。


それをよく承知しているのか、王子はますますオロオロするばかり。


父親と姫の顔を交互に見比べてる様子はもう、困惑を通り越して挙動不審。


・・・しっかりしなさいよ王子。あぁ情けない。


叱り飛ばしてやりたいのをレベルアップして、張り手をかましてやりたくなってきた。


「そ、そうだ父上! 確か祝いに、下賜なされるんですよね!?」


取りつくろうように、王子が手をパアンと打ち鳴らして叫んだ。


「ボク、それでおもしろい余興を考え付きました!」