タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

ヘラヘラヘラぁ~っとした笑顔が、見てると逆にムカついてくる。


王子じゃなかったら、完全に周囲からヒジで小突き回されるタイプ。


どんな育ち方してきたのかな?


歴史に残る偉大な王から生まれたのが、これかぁ。


別に王が産んだわけじゃないけど。


そうそう立て続けに、良い玉は出てこないってことか。残念ね。


どうやらお姫様もあたしと同意見らしく。


手を取られて歩きながら、その表情はムスッと沈み込んでる。


王と王子と姫が、正面のイスに腰掛けた。


会場内は、これほどの人数にかかわらず、シーンと静まり返っている。


王様が、片手をスッとかざして、堂々と話し始めた。


「諸侯たちよ、本日は大義である」


貴族たち全員が、ますますもって頭を低くした。


皆の頭上を、王様のシワの刻まれた口元から放たれる重厚な声が響き渡る。


「我が国の王子と隣国の姫との善き日に、よくぞ集まってくれた」


そして隣の席でニコニコしている、自分の息子を見た。


「スエルツよ、お前から皆にねぎらいの言葉を」

「はぁいっ! 父上っ!」


予想通りの軽~い返事と共に、王子がイスから立ち上がった。


おい! はぁい、じゃないだろ! はぁいじゃ!


・・・なんかもう、叱り飛ばしてやりたくなるわ。こいつ。