タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

確かにそれを責められる筋合いは、どこにもない、けれど・・・。


「ちちっ、ち」


「・・・・・・」


「いま、なんて言われたの? ブラン」


「ならば輪の中で生きるものとして、オレたちが人間に滅ぼされるのも受け入れろ、とさ」


「そんな・・・」


「それが運命なんだから当然だ、とさ」


「・・・・・・!」


「もういい諦めよう。当然、鳥たちにも拒否する権利はあるんだ。帰るぞミアン」


ブランは入り口へ向かって歩き出した。鳥たちはその後ろ姿を黙って見送っている。


・・・・・・・・・・・・。


「・・・ちがう」


あたしはポツリとつぶやいた。


ブランの足が止まり、こちらを振り返る。


「え?」

「違う。それは違うよ」

「ミアン?」


あたしは鳥の代表に顔を向けた。そして、まっすぐに言い切った。


「違う。運命でもないし、当然でもない。今あんたがブランに言ったこと、取り消して」


確かに、弱いものは強いものの犠牲になるのが運命かもしれない。


でもそれは『本人が受け入れたら』の話だ。


あたしも以前は受け入れていた。


自分の人生なんてこんなもんだ。これがあたしの、決められた運命なんだって。