タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「国王陛下」


「アザレア! 気分はどう!? 大丈夫!?」


「大丈夫です。つわりなど病気のうちに入りませんわ」


身重の王妃の姿を見て、王は家臣を下がらせた。


王妃も王と並んで肖像画を見上げる。


その穏やかな表情を見て、王は自分の心が幸せに満たされるのを感じた。


「ふたりから、わたくしにも便りが届きましたわ。きっと懐妊の祝いです」


「ほんと? どんな?」


「木の実とヘビとネズミの死がいでした」


「・・・・・・・・・・・・」


「たぶん、これで栄養をつけろという意味だと推察いたしますわ」


王と王妃は顔を見合わせ、一緒に噴き出した。


「本当にあのふたりには油断がならないね!」


「きっと、ずっと見守っているという意味ですわ」


「うん。あのふたりが見ているなら、もっともっと頑張らなきゃと思うよ」


「陛下はよく頑張っていらっしゃいます」


おタヌキ山から、タヌキの姿は一匹残らず消えた。

それでも王は山を保護する命令を下した。


未来永劫、山を荒らしてはならぬ、と。


奴隷制度も廃止した。


戦争からも手を引いた。