タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「ただ、どこをどのように探しても、見つからないのでございます」


「そう・・・」


「しかしご安心ください! 必ずや見つけ出してごらんに・・・」


「いや、いい」


「・・・は? いや、しかし」


「幸せだったんだね?」


「・・・・・・?」


「ふたりは、幸せだったんだよね?」


それなら・・・・・・いい。


かつて、少女と約束した。

『頑張って幸せになろう』と。


少女は、その約束を叶えたんだ。

それならば、いいんだ。


「それにね、時々、ふたりは便りをくれるんだよ」


「便りでございますか?」


「うん。山の果実と、ネズミの死がい」


「・・・・・・はあ??」


「この前なんて、ベッドの中に忍ばせてあったんだよ。もう驚くやらおかしいやらで」


だから、今度は自分の番。

自分が約束を叶える番だと、王は密かに決意する。


お前はきっと偉大な王になる。

ふたりはそう勇気づけてくれた。


自分が偉大だなんて夢にも思わないけれど。

それでも、幸せになるべく努力している。


自分だけじゃなくみんなを幸せにしたい。

国民も、もちろん、最愛の妻も。