タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「ど、どうしてここに!?」

心底驚いているあたし達に、タヌキ達は明るく笑いかける。


「どうしてって、そんなの決まってるだろ?」


「白騎士がミアンを助けに行ったんなら、当然オレ達だって駆けつけるさ」


ブランは声も出ない。

みんなの顔を見回して、やっと、切れ切れに問いかける。


「で、も・・・オレ、一族を捨て・・・」


「なに言ってんだ? オレ達は仲間だろ? なあ、みんな」


「そうだよ。オレ達はみーんな、仲間だよ」


「そうだよ、そうだよ」


・・・・・・・・・・・・。

仲間。


仲間だと、言ってくれるの?


裏切っていたあたしを。一族を捨てたブランを。


つぶらな黒い純粋な瞳。


あの日、山で初めて出会った時と変わらない。


何ひとつ変わらない、タヌキ達の瞳。


「オレ達も、みんな協力して地竜に同化するぞ!」


「そうすりゃ、地竜もパワーアップだ! 命を生み出す大地の力を取り戻す!」


「同化したオレ達も、また新たに生まれて来られる!」


新たに生まれてくる!?


あたしはブランとタヌキ達の顔を交互に見比べた。


それは、ブランやみんなが復活するってこと!?

この世界から消えてしまわないの!?


またあたしの元へ戻って来てくれるの!?