タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「嫌だ」

「ミアン」

「嫌だ。嫌だ。嫌だ」

「ミアン、聞け」

「嫌だ聞かない絶対に絶対に嫌だ嫌だ嫌ぁっ!」


あたしは悲鳴を上げてブランにしがみ付く。


絶対に引き離されないように、全力で抱き付いた。


離さない! 絶対に離すもんか!


ブランだけは何があろうと絶対に離さない!


たとえその代償に、世界が滅ぶのだとしても!


「嫌ああぁぁぁーーーーー!!!」


死にもの狂いで彼の体に爪を立てた。


絶叫する自分の叫び声で、頭の中がギンギン痛む。


大声を上げないと、そうでもしないと、発狂してしまいそう。


世界が滅んでしまってもかまうもんか!


ブランを失うくらいなら、滅んでもいい!


「なぜ!? どうしてブランが犠牲にならなきゃいけないの!?」


絶対に絶対にあたしは認めない!


ブランが犠牲になって保たれる世界なんて・・・


「そんな世界、滅んでしまえばいいんだ!!」

「ミアン」


だってあたしブランを愛してる! こんなに愛してるんだもの!


あなたを犠牲にして世界を救う道を、どうしてあたしが選べるの!?


「愛しているんだもの! 愛しているのよ!」


目の色を変えて喚き散らすあたしの頬を、ブランの手が優しく包み込んだ。


「ミアン。だめだ。自分の中の真実を見失うんじゃない」


あ・・・・・・・・・・・・。