タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

・・・・・・・・・・・・。

絶句した。


意味が・・・分からない。


何を言われているのか、ブランの言葉の意味がまったく理解できない。


「どういう・・・事?」


震える唇。

唇だけじゃない。手も、足も、なにもかも全てが震えている。


足元が崩れて、奈落の底に落ちる直前のような。


そんな恐ろしい予感に怯えるように、ガタガタと震えて・・・


・・・止まらない。


今まで歓喜に沸いていた皆が、嘘のようにしーんと静まり返る。


息をころしてブランとあたしを見守っていた。


「オレは高位の土の精霊。選ばれた金の精だ。オレなら竜神王の目に変化できる」


「・・・・・・・・・・・・」


「つまりオレが地竜の中に取り込まれ、地竜の目となるんだ」


「そ・・・・・・」


「もう地竜が暴れる事は無い。そして世界は救われる」


「そんなこと聞いてるんじゃない!!」


あたしは金切り声をあげた。


そんなことが聞きたいんじゃない!!

あたしが聞きたいのは・・・・・・


ブランはどうなるのか!? って聞いてるの!


あたしの・・・あたしの目の前から・・・・・・


「消えてしまうのかって聞いてるのよ!!」


あたしの叫びに対し、ブランは再び沈黙した。


その沈黙が・・・怖くて、怖くて、怖くて怖くて・・・。