あ・・・まただ。

また、彼の笑顔を見ると胸がキュウって苦しくなる。


そんな優しい言葉、誰かに言われる日が来るなんて思わなかった。


それが今、現実になっている。

みんなに祝福されて、しかもこんなに素敵な花婿が隣に・・・。


胸がドキドキする。ふわあっと温かくなる。それと同時に・・・


切なくも・・・なった。


これは偽りの喜び。嘘の結婚式。

あたしは彼らをだましている。


「さあ、ごちそうを運んでくるのである!」


あたしの胸の痛みと苦しみに気付かず、おタヌキ王は陽気にハシャいでいる。


「白騎士もミアンも、たくさん食べるのである」


「おタヌキ王様、ありがとうございます。さあミアン」


「え、ええ。いただきます」


みんなで用意してくれたごちそうか・・・。


奴隷のあたしが食べてきたものと言ったら、そりゃあ粗末でマズイものばかり。


このさいだから、ありがたくいただき・・・・・・


「ーーーーーーーー!!」


葉っぱのお皿の上のごちそうを見て、あたしは頭のてっぺんから悲鳴を上げた。


ネズミと、カエルと、鳥の死がいのミックスプレート!?


ぎゃああぁ! まさかこれを食べろとー!?