タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「泣くな。しっかりしろミアン」


ブランがあたしの肩を力強く揺すった。


「大丈夫だ。まだ手はある」


あたしは弾かれるように顔を上げた。


まだ手はある!? そう言ったの!?


「ほ、本当に!? あたし達、助かる手段があるの!?」


「安心しろ! オレは伝説の白騎士だぜ!」


ニヤリと自慢そうに笑うブラン。


その顔は汚れきっていても、本当に自信に満ちて輝いている。


あぁ・・・・・・ブラン!


あたしの胸にパァッと希望の明かりが灯り、思わずブランにギュッと抱き付いた。


「すごいわブラン! さすがはあたしの夫!」


「だがそれには、あいつをどうにか・・・」


――ズゥッ!


目の前の大地の穴から、ヌッと巨大な爪が現れた。


それが穴のふちにズブリとめり込む。


この輝きを失った爪は、地竜の・・・!


穴の中からゆっくりと地竜の顔が浮上してくる。


その巨大さと、変貌ぶりに、あたしも王子も驚愕した。


姫は怯えて王子に縋りつく。


地竜の顔は・・・もはや正常な輪郭を留めていなかった。


黒い、ドロついたような、粘膜のようなもの。


それがブヨブヨと、かろうじて形を形成している。


その中にたったひとつ、赤く轟々と燃えるような球体が、ひとつ。


あれは地竜の目だ。