・・・・・・なによそれ。

まるきり嘘っぱちだ。


こんな情けない男がカメリアの王なの?


「なにが戦いの神、よ。あんた自分で自分が恥ずかしくないの?」


「無礼者! 貴様、余を誰と心得るか!」


王さまは額に汗をかきながらあたしを睨みつける。


以前、この目をとても恐ろしいと感じたけれど。


今は恐怖なんてちっとも感じなかった。


「やがて回復したわたくしは地上へ戻り、復讐を決意した」


「オルマさん・・・・・・」


「憎かった・・・・・・」



気が狂うほどに憎んだ。


国を滅ぼした男を。


お腹の子どもを見殺しにした男を。


しゃあしゃあと英雄になり、敵国の王となった男を。


そして・・・・・・


そんな男を生まれて初めて、心から愛した自分を憎んだ。


このままでは済まさぬ。


マスコールの苦しみを、お腹の子の悲しみを、


そしてわたくしの憎しみを、同じ分だけ味あわせてやらねば気が済まぬ。