タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

あたしがキーキー騒ぐもんで、白タヌキが面倒くさそうにもう一回変化した。


一応、簡単な服を着たカッコウになっている。

ふうぅ、やれやれ・・・。


「事情は説明したのである。だから今夜は婚儀である」


「こんな事態になったのは、人間のせいだ。だからお前にも責任をとって協力してもらうぞ」


「別にあたしの協力なんて必要ないでしょぉぉ?」


化けられるんなら、勝手に行って権利だろーが真理だろーが、手に入れてくればいいじゃない!


「そうはいかぬ。祝いの会は、貴族夫婦限定の集まりなのである」


「メスのタヌキを嫁にして連れていきゃいいじゃないの!」


「オレの嫁はお前だ。それに長時間の変化魔法に耐えられるメスがいないんだよ」


「なんであたしが嫁に選ばれたのよおぉ」


あたしの何がよかったの? どんな所が、そんなにタヌキの嫁としてふさわしかったのよ?


「あぁ、そりゃただの偶然だ」


・・・はい? 


「実はワナを仕掛けたはいいが、誰も引っかかってくれなかったのである」


「何日も待って、たまたまお前がワナにかかった」


「助かったのである。このまま誰もかからなかったら、どうしようかと思っていたのである」


よかったよかった、はっはっは。

おタヌキ王と白タヌキが顔を見合わせ、笑い合った。


・・・じゃあ、なに? 


あたしが屋敷から逃げるために、たまたまあんな山奥まで入り込んだから・・・


ほんとに偶然、ただ運悪く、捕まっちゃったってこと?


「われらの秘密を知った以上、このまま帰すわけにはいかないのである」


「だから諦めて、オレの嫁になれ」


・・・・・・・・・・・・。


おのれえぇぇ! バカだんなあああぁぁぁ!!

全っ部おまえのせいかあぁぁぁ!!