タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

肩をすくめて首を横に振り、セルディオは溜め息をついた。


「オルマ、お前の口から説明してやったらどうだ?」


オルマさんの表情から愉悦の色は消え、また無表情に戻っている。


彼女は不思議なほどに冷静沈着に、王さまを見つめていた。


「そうだな。わたくしの口から告げるのが、最もふさわしかろう」


そう言って遠い目をしながら、オルマさんは語り始めた・・・。



かつて。


マスコール王国とカメリア王国は、宿敵同士だった。


百年にも渡る争いに決着はつかず、互いの国力は疲弊しかけ、民は喘いでいる。


わたくしはその現状に心を痛めていた。


戦争などくだらない。こんな愚かなことなど、やめてしまえばいいのに。


そう公言しては、父王や臣下たちに白い目で見られる日々。


わたくしは疎外され、孤独な日々を過ごしていた。


そんなある日・・・・・・


わたくしの目の前に、他国の使者が現れる。


若く、逞しく、精悍で見目麗しい若者。


その若者だけは、わたくしの話を真剣に聞いてくれ、強く賛同してくれた。


わたくしはとても嬉しかった。


生まれて初めて、話を聞いてくれる存在に出会えたことが。