町を駆け抜け、まさに飛ぶように一直線!


すれ違った何人かの町の人たちに、ポッカーンとした表情で凝視された。


「い、いいのかな? しっかり注目されちゃってるけど?」


「暗ぇし、目の錯覚だと思うだぁよ、きっと」


「いやそんな、お気楽な・・・」


「んだけども、人間はそうだべ? 自分の見たくねえモンは、見ねえフリするじゃねえか?」


・・・そうだね。返す言葉もないよ。


たてがみを靡かせ、風を切り、ユニコーンはひた走る。


あっという間に城に到着した。


本当に速い! ひょっとして地上では世界最速だったりして!


カッコイイよユニコーン! スケベだけど!


いななきながらユニコーンは門を潜り抜ける。


中では門番や衛兵たちが、右往左往の大騒ぎをしていた。


「な、なんだあぁ!?」


「あれ、ユニコーンじゃないか!? ユニコーンだよ!」


「バカな! きっと何かの見間違いだ!」


パニックを起こしながらも、彼らは及び腰で槍を構えて扉の前に立ちふさがる。


「おめえら、どけ! ケガすっぞー!」


ユニコーンは一切躊躇せず、ガンガン突っ込んでいく。


兵士たちはついに悲鳴をあげて逃げ出した。


よーし! 行けえユニコーン!