タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

あたしの中を熱くした、おタヌキ王の言葉。


あぁ・・・あの言葉が、あの感情が蘇る。


血潮が脈打つように、押し寄せる波のように、あたしの全身を包み込む。


(おタヌキ王・・・・・・!!)


「ねえちゃん?」


「・・・・・・・・・・・・」


「また泣いてるのけぇ?」


「・・・・・・うん」


「ごめんな? そんなに痛かったけぇ?」


「うん、痛い。・・・ここが」


胸を両手で、ギュッと押さえる。


痛い。すごく痛い。そして・・・・・・燃えるように熱い。


涙が次々と溢れ出し、頬を伝い、唇に流れ込んでくる。


嬉しくて、切なくて、物悲しい・・・


今まで感じたことのない、涙の味。


そうなんだ・・・・・・。そうなんだよ。それが一番大事なんだよ!