タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

数テンポ遅れて、かなりシビアな激痛が襲ってきた。


い・・・・・・


「痛あぁぁぁーーーい!!」


ズッキンズッキン脈打つ頭を手で押さえた。


痛い! 患部が熱い! まだ視界が回ってるぅぅ。


涙目でオジサンを見ると、その手には小型のハンマーが、しっかりと握られていた。


・・・おい、あんた・・・


まさかそのハンマーであたしの頭を攻撃したの!?


「なんてことすんの!?」


「目ぇ覚ませ! ねえちゃん!」


「逆に永遠の眠りにつくとこだったよ!」


殺す気か!? 

これ、打ち所が悪かったらシャレにならない!


「その点なら大丈夫だぁよ。おらはハンマーの扱いにかけちゃプロだぁよ」


「なに自慢してんのよ!?」


「ねえちゃんが元気になったところで、地竜を何とかしねえと」


「だから、それは無理だって・・・!」


「あんれまぁ、まだ気合い込めが足りねえのけぇ?」


ちょっと! これ見よがしにハンマー構えるのヤメて!


慌てて両手で頭をガードするあたしを、オジサンは真っ直ぐ見つめた。


「ねえちゃんは、どうしたいんだ?」


「どうする? ・・・どうするって・・・」


「なぁんか、色々と事情はありそうなんは、察しがつくけんどよぉ」