タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

鉛のような足を引きずり、出口へ向かう。


一歩。また、一歩。

あたしはおタヌキ王から離れていく。


強烈に、熱く熱く、体を突き破りそうなほど大きな想いが暴れている。


この大きなもの全ては・・・


あなたが、あたしに与えたもの。


だからあたしは・・・ここから、行くんだ。



あたしは納屋を出た。


両足を交互に前に出し、必死に歩いていく。


離れていくのに、心も体も、おタヌキ王の気配を感じている。


何かに突き動かされるように、あたしは山へと向かっていた。


カラッポのような、逆に、限界まではち切れそうな、そんな不思議な感情を抱えて。


夜に包まれた山に入る。


ザリザリと土を踏む音。


静かすぎる静寂。


やがて・・・・・・


――パーン・・・


一発の・・・・・・銃声。



屋敷の方角から、夜の沈黙を破って空気を震わす。


あたしは息を止め、目を見開き、立ち止まる。


そして、何が起きたのかを悟った。


あぁ、こんな、こんな頼りないほどの、小さな音・・・


耳を覆い、目をつぶり、へたり込む。

そして・・・・・・


地べたに突っ伏し、大声で泣いた。