タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

おタヌキ王があたしを助けるために危険を冒したこと、知ってるよ!


だから助けようとしているんだよ!


いまタヌキ一族は、人間に襲われて大変な状況なんだ。


「みんなの元へ戻って! そして仲間を守って!」


怒鳴るあたしに対し、おタヌキ王はあくまでも静かな態度を崩さない。


黒く輝く瞳で、じっとあたしを見つめる。


「一族は他の者でも守れる。だが、いまミアンを守れる者はわたしだけである」


「そんな!」


「わたしは王。守る者。そしてミアンは、タヌキの仲間」


「・・・・・・・・・・・・!」


「王であるわたしが、仲間を犠牲にして生き長らえては・・・歴代の王に顔向けできぬのである」


おタヌキ王・・・。


あたしの両目に、もう枯れてしまったと思っていた涙が再び溢れる。


両手から力が抜けた。


斧をドサリと取り落し、両手で顔を覆ってその場に崩れ落ちる。


「うっ・・・うぅ・・・」


すすり泣き、何度も首を横に振った。


違うの。そうじゃないの。あたしは・・・


「あたしは、仲間じゃないの。あなた達のこと、裏切っていたの・・・」


両手が涙でビショ濡れになる。


『あたしは仲間じゃない』


その言葉を自分で口に出すことが、たまらなく辛かった。