タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

剣を突き刺すたびに、痛いほどの振動が手に伝わる。


あっという間に両手がビリビリと痺れて来た。


「この! この! このぉ!」

「無理である! 諦めるのである!」

「いやだ!」


いくら突き刺しても、刃は跳ね返された。


激しい振動に、手の痺れが腕の付け根まで広がっていく。


「ミアン、早く逃げるのである! もうすぐ、腹の出っ張った中年男がここへ来るのである!」


バカだんなが!?

まずい! 急がないと!


「ミアンひとりで逃げるのである!」


「あたしは大丈夫! ついさっき、奴隷から解放されたばかりだもん!」


「正式な通達ではなかろう!? まだ契約書は、出っ張った男が持っているのであろう!?」


まだ奴隷から国民に格上げされた、正式な証書はもらっていない。


それがないと、いくら口で「もう奴隷じゃない」と言ったところで、法的には何の効果もない。


いまバカだんなに見つかったら、どんな目にあわされるか・・・。


「でも、だからって見捨てられない!」

あたしは叫んだ。