タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

納屋の奥。ひときわ美しい毛並みのタヌキがこっちを見ている。


見つけたー! おタヌキ王!


あたしは大喜びで駆け寄り、おタヌキ王を抱え上げようとした。


――ジャラ・・・


重い金属音がそれを邪魔した。


タヌキ王の片足にガッチリと鉄鎖がはめられ、鉄の棒に繋がれている。


そんな! これじゃ逃げられない!


あたしは満身の力で鎖を引っ張ったけど、ビクともしない。


「ミアンよ、なぜこんな所へ来たのであるか!?」


「なんでって、助けに来たのに決まってるでしょ!?」


叫びながら顔を真っ赤にして引っ張り続ける。


んんんーー・・・ぶはぁ! だめだ! どうしよう!?


「おタヌキ王! アリンコとかに変化できない!? タコとかイカとかの軟体生物でもいいんだけど!」


おタヌキ王は力無く首を横に振る。


「できるのならば、やっている。もう変化する体力がないのである」


納屋の中を見回すと、壁に様々な種類の剣がかけられていた。


その中であたしでも扱えそうな短剣を取り外し、頭上に構える。


そして思い切り、鎖を目掛けて振り下ろした。


「んなろぉーーー!」


キィン! と耳障りな金属音が響く。


でも頑丈な鎖はまったく無傷だった。


めげずに連続して短剣を振り下ろし続ける。