タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

泣きすぎて気力と体力を使い果たしたのか、全身がダルかった。


重病人のようにヨロヨロ歩き続け、やっとバカだんなの屋敷に到着した。


見上げる屋敷は子どもの頃から過ごした、なじみ深い場所であるはずなのに。


よそよそしい空気しか感じなかった。


もうだいぶ日が落ちてあたりは薄暗い。


おタヌキ王はどこにいるんだろう。本館の隣にある納屋かな? 


キョロキョロと辺りを警戒しながら、急ぎ足で納屋に近づいた。


木の扉の小窓からコッソリと中を覗き込み、中の様子を伺う。


作業道具が雑多に置かれていて、どうも見通しが悪い。


「・・・おタヌキ王、いるの?」


あたしは声を掛けてみた。


「おタヌキ王、いる? いるなら返事して」


「・・・ミアン!? その声はミアンであるか!?」


「その声はおタヌキ王!?」


いた! やった! 無事だったんだ!!


「おタヌキ王待ってて! 今そっちに行くから!」


あたしは大急ぎで納屋の扉に向かった。


カギはかかっていなくて、扉はすんなりと開く。


夢中で中に飛び込んだ。