タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

やがて、声も枯れ果てて。

吐き出せるものを全て吐き出し。


あたしは弱々しく、呼吸だけを繰り返した。


風が幾度も木々を渡り、枝を揺らす。


鳥がさえずり、蝶が羽ばたき、虫が地を這う。


時が過ぎ、日は西に傾き、空は淡く夕焼けに輝き出す。


山の空気を染めていく。


あたしの体も、なにもかも・・・・・・。


――むくり。


あたしは地に両手をついて、ようやく起き上がる。

そして思った。


・・・行かなきゃ。

おタヌキ王を助けに、行かなきゃ。


行けばあたしもバカだんなに見つかって、捕まえられてしまうかもしれない。


それでもあたしは行かなければ・・・


ううん。行きたいんだ。あたしは。


『ミアンは我らの仲間である』


おタヌキ王・・・・・・。


待ってて。今行く。


あたし今、行くからね。


ヨロヨロと覚束ない、頼りない足取り。


それでも強い意志に導かれるように、あたしは前に向かって進みだした。