タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

ブランは真っ直ぐ歩いていく。


決して振り返ろうとせずに。


タヌキたちは、何度もあたしとブランの姿を交互に見て・・・


やがて振り切るように、ブランの背を追った。


ブランが遠ざかっていく。


白く輝く毛並み。穏やかな温もり。


滑らかな優しさと、確かな鼓動。


初めて知った、恋。


それらの全てを、与えてくれていたものが・・・


かけがえのない、この世でたったひとつの存在が・・・


去っていく。


あたしの元から去って行ってしまう。


あたしはそれを、泣きながら見ているしかなくて。


どんどん、どんどん

容赦なく彼は遠ざかって・・・


そして・・・・・・


不意に、白い姿が繁みに消えた。


タヌキたちも、もういない。


いない。


いなくなってしまった。



――サワサワサワ・・・


あたしの周りには、山の木々と、吹き渡る風の音だけ。


圧倒的な孤独感に立ちすくむ。


あぁ・・・ついに・・・



完全に、あたしは失ってしまった!!



あたしはその場に崩れ落ち、身も世もなく、泣いた。