タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「あたしがおタヌキ王を助けに行くよ!」


あたしは叫んだ。


だっておタヌキ王は、あたしのためにお屋敷へ行ったんだから!


一族の危機にブランが身動きとれない以上、あたししか、いない!


だからあたしが・・・!


「やめておけ」

ブランが言った。


「屋敷に行けば、お前は捕まってしまうんだろう?」


「そんなこと言ってられないよ!」


「なぜだ? これは・・・全部お前の望んだ通りの結果じゃないか」


・・・・・・・・・・・・!


あたしの、望んだ通りの結果・・・?


そうだ。あたしはタヌキを犠牲にしてでも、自分が生き残ることを望んでいた。


そしていまタヌキを失い、晴れてめでたく自由の身。


これが・・・

これが、あの時あたしの望んだ結末。


なれの・・・果てだ。


ボンッと変化魔法の音がして、ブランは白タヌキの姿に戻る。


「一族を守ることが最優先だ。それが最善だろう」


「とにかく一時身を隠そう。そしていずれは山を下りて、どこか別の場所へ移動するんだ」


「そうだな。それしかないだろう」


タヌキたちが納得している。でも。


「どこへ・・・行くの?」


あたしは、そう問わずにはいられなかった。


ここのタヌキは特別な存在。この山の金の精霊だ。


他の山へ行ったところで生きてはいけないだろうに。


ここを捨てて、どこへ行くというの?