タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

そういえば、おタヌキ王とお互いの境遇を話し合ったことがある。


その時に、契約書の話をした気がする。


それさえ無くなれば、あたしは自由になれるのにって。


「おタヌキ王さまは『ミアンは我らの仲間である。救ってやらねば』と仰って・・・』


「なんだって!? おひとりで行かせたのか!?」


「危険だから、自分ひとりで行くと言ってきかなかったんだ」


そんな・・・!

あたしを奴隷身分から解放するために、そんな危険なことを!?


あたしは震える両手で顔を覆い、泣いた。


涙が次々とあふれて止まらない。


あたしは、タヌキを裏切っていたというのに。


そのあたしを守るために、危険に飛び込んでいったなんて!


「それからずっと戻ってこないんだ。きっと、もう・・・」

「すぐに助けに行くぞ!」


ブランは立ち上がり、今にも飛び出そうとした。


それをタヌキたちが慌てて止める。


「まて白騎士! お前までいなくなってしまったら、おれ達はどうすりゃいいんだ!」


「そうだよ! 王のいない今、一族を率いるのはお前の役目だぞ!?」


「しかし・・・!」


「頼む! このままでは全滅だ! おれたちを守ってくれ白騎士!」


タヌキたちは必死になってブランに訴えている。


ブランはグッと言葉に詰まり、みんなの顔を何度も見返す。


そして悔しそうにギュッと両目をつぶり・・・


「分かった・・・」

辛そうに、ゆっくりうなづいた。