「地竜は心配すんな。おれらがちゃんとやっとくから」


「でもどうやって帰ろうか? 船は無いし」


「そうだね。そもそも船を探しに城の中へ入ったんだしね」


「ノームさま、どこかに船はございませんですか?」


「船ぇ? そんなんあるわけねえよぉ」


そりゃそうだ。土の中に船があっても何の役にもたたない。


それに航路は、またセイレーンに襲われる可能性が高いし。


「大丈夫だぁ。方法ならあるだぁよ」


自信たっぷりにオジサンはそう言って、あたしたちに「こっち来い」と促した。


「これを使え」


そう言ってオジサンが見せてくれたのは・・・大きな鉄製の四角い箱型のものだった。


箱の下に、細長い鉄の棒が横たわっている。


その棒の先は、ずっと先の、深そうなトンネルの中に続いていた。


「これ、なに?」

「おれらはトロッコって呼んでるだぁよ」

「とろっこ?」

「これに乗っていけば、タヌキ山のあたりまで行けるだぁよ」


本当に? それは便利だ。


早くブランを休ませてあげたいし、ぜひ使わせてもらおう!


「オジサンありがとう!」


「カメリア王国を代表して、感謝するよ。ぜひとも今度正式にお礼を・・・」


「いいから早く行け。早く」


オジサンがあたしたちに、トロッコに乗り込むように急かす。


「で、でも、まだ他のノームたちに挨拶も・・・」