タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「はあ? なんだぁ? 伝説がどうしたってぇ?」


「説明は後でするから、とにかく持って来おいぃーー!!」


ノームたちが弾かれたようにわらわらと駆け出す。


早く! 急いで・・・! 早く早く早くー!


ブランと地竜の様子を見守りながら、あたしはジリジリと焦燥感に苛まれた。


やがてノームの大集団が、「えっほ! えっほ!」と掛け声も勇ましく戻ってくる。


来た! 待ってたよ! さあ早く剣をブランに・・・。


目を輝かせて振り返ったあたしは、そこで固まってしまった。


な・・・・・・


「なにこの剣ーーー!?」


目にした剣の、想像を絶する巨大さに両目を見張る。


とにかくでかい! どんだけデカイのこの剣は!


幅、何メートル!? 長さも何十メートル!?


最初は、とても剣だとは思えなかった。


だってあたしの場所からは遠すぎて、柄も切っ先も、ぜんぜん見えない。


これほんとに剣? ・・・桁違いの巨大剣だ!


ノームの一族がズラァっと全員総出で、頭の上に抱え上げ、顔を真っ赤にして懸命に支えている。


「こ、これが・・・?」

「大地の精気を集めた剣だぁ。これっくらいのデカさは当然だぁよ」


そういうオジサンの言葉を聞きながら、あたしは軽く血の気が引いた。


ど・・・どーしよー。ブランなら大丈夫だと思って、太鼓判押しちゃったけど。


な、なんかちょっと、自信、なくなってきたかも・・・。


だってこれじゃ、あんまりデカ過ぎるよぉ!