タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「おおぉ、そういやぁ、あったなあ! そんなもんがよぉ!」


「そんなもんってどんなもんなの!?」


「だからそりゃ、剣だぁ」


「オジサンふざけてる!? まじめに答えて!」


「大地の精気を集めて造った最強の剣だぁ。あれなら地竜を攻撃できる」


地竜を攻撃できる剣?


でも地竜をぶっ倒しちゃったら、まずいんじゃないの?


「あの剣は地竜の分身みてえなもんだ。あれなら攻撃しても、地竜だったらほとんど傷付かねえよ」


「ほんと!? すごいじゃないの!」


まさに、今日のこの日のために造られたような剣。


それ使いましょう! せっかくだから活用しましょう今すぐに!


「なんでそんな便利なもん、今まで忘れてたの?」


「なんせ特別な剣だから、使うヤツも特別なヤツじゃなきゃだめなんだぁ」


「特別な?」


「大地に選ばれたヤツでなきゃ、使えねえんだぁよ。今まで使えたやつぁ、ひとりもいなかった」


あたしはオジサンの言葉を、心の中で反芻した。


大地に選ばれた・・・特別な・・・。


「オジサン! その剣持ってきて!」

「へえ? いや、だからよぉ・・・」

「いーから持ってきて! 早く!」


ブランなら・・・使えるかもしれない!


大地の希少な金の精霊。中でも彼は、特別な・・・


「彼は、ブランは、伝説の白騎士なの!」