タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

地竜は完全に頭に血がのぼっちゃってる。


目の前にノコノコと目玉を持って現れたりしたら、結果は火を見るより明らかだ。


「・・・来たぞぉ!」


――ズウゥゥ・・・・・・ン!!


今までで一番強烈な、骨がズレてしまうかと思うほどの激しい振動と地鳴り。


それが突然ピタリとやんだ。


ウソのように、突然シーンと音もなく静まり返る空間。


ぞぉっ、と、背筋が凍るような嫌な気配を背後に感じる。


あたしは反射的に振り向き・・・両目を極限まで見開く。


そして『それ』に、心の底から圧倒された。


・・・・・・いた。

地竜が。


圧巻。そのひと言に尽きる。


一瞬、山か? と見紛うばかりの赤茶色の、その巨体。


銀色に輝く爪の一本分が、あたしの身長とほぼ同じ大きさ。


ここまで・・・デカいのか。


全身が、輝くウロコにビッチリと覆われている。


頭には隆々とした二本の巨大なツノ。


爪と同じく銀色に輝く牙が、両顎にズラリと生え揃っている。


・・・・・・・・・・・・。


竜は、この世で最も高等な、そして最強の生物なのだと聞いたことがある。


・・・まったく、その通りだ。


あたしは竜を見上げながらそう実感した。


恐怖とか、驚きとか、そういったものからは、はるかに超越してしまった。


ケタが違う。生物としてのレベルが違う。


領分が・・・領域が違うんだ。