・・・・・・・・・・・・。


う・・・・・・。


「ミアン! ミアンしっかりしろ!」


「ブラ・・・ン・・・?」


「気が付いたか! ああ良かった!」


ブランが心配そうに、横たわるあたしの顔を上から見下ろしている。


体の下の地面が妙にベタベタ湿っぽい。それに、絶え間ない波の音が聞こえる。


うぅ・・・ダルい。


身を起こそうとしたけど、体の異様な重さにヘバッて、また倒れてしまった。


「無理して急に動くな」


「ここ・・・どこ・・・?」


「どうやらマスコール王国の海岸らしい」


そうか・・・あの嵐のような潮の流れに流されて、偶然ここにたどり着いたのか。


すごい幸運。もう完全にダメだ終わったと思ったのに。


・・・あたしって実はけっこう強運の持ち主?


ブランに助け起こされ、なんとか上半身を起こす。


すぐそばに、オルマさんとスエルツ王子も並んで倒れていた。


「オ、オルマさん! スエルツ王子!」


叫んだ拍子に、思い切り咳き込んでしまう。


ノ、ノドが焼けるようにヒリヒリする・・・。


海水をしこたま飲み込んだせいだろう。まともに声が出せない。


やかましく咳き込んだせいか、ふたりが次々と目を覚ました。


「・・・ここは? ボクたち、どこに流れ着いたんだろう?」


「みなさま、あれをご覧ください」