タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「いやああぁぁぁーーーーー!!!」


ノドが張り裂けんばかりに、力の限りに絶叫した。


さすがにブランも驚き、ビクリと上半身を起き上がらせる。


それを下から睨み上げ、あたしは泣き喚いた。


「あんたは、あんたはバカだんなと一緒よ!」


あたしの全てを無視した、あのバカだんなと変わりない!


あたしは道具じゃない!


白騎士のアイテムでも、ブランの英雄としての部品でもない!


「あたしは人間なのよ! あんたは・・・」


あんたは・・・・・・


「あんたは、ただのケダモノよ!!」

「・・・・・・・・・・・・!!」


ブランの表情が凍り付いた。


みるみる顔色が失われていく。


唇が震え、ゴクリと、ノドが動くのが見えた。


シン・・・と。


動きも、声も、呼吸の音すらも、無く静まり返り。


部屋の中の時間が止まった。


あたしたちは、お互いが深く傷ついていた。


そしてお互いを、心の中で強く責めていた。


そして・・・どこかそのことに、罪の意識を感じていた。


そして

そして

その、次の瞬間。


――ドオォォォ・・・ン!!


すさまじい衝撃を感じて、あたしもブランもベッドから同時に吹っ飛んだ。