タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「嫁に手を出そうとした男を片付けるのが、ヒドイことか?」


そ、それは・・・!

確かに今回は、間違いなく手を出されてはいたんだけど!


「それにしたって、こんなやり方・・・」


「セルディオの次は、あの男か?」


「・・・・・・・・・・・・!」


「お前、オレが苦しんでいる間に・・・」


ブランはあたしの、両方の二の腕をガッシリとつかむ。


「なにをやってたんだよ!? いったい!!」


な、なにって・・・

苦しんでたよあたしも! 肉体的にも精神的にも広範囲な意味で!!


「放してブラン! 痛いよ!」

「こっちに来い!」


ブランはあたしの腕をつかんだまま、グイグイと引っ張って進んでいく。


あたしは腕に走る痛みに、顔を歪めた。


ブラン、本気で怒ってる。なんでこんなに怒ってるの!?


その時突然、あたしの頭にあの言葉が浮かんだ。


『あの男も、どうやらずいぶんとお前にご執心のようだ』


まさか・・・・・・

まさか本当に?


本当にブランが、あたしのことを・・・?