タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「逃亡奴隷だと?」

「そう。だから、下賜を・・・自由の身・・・」


逃亡奴隷の身の上がバレたら、きっと処刑されてしまうだろう。


でもこのままだと、今すぐここで処刑されてしまいそう!


そんな八方ふさがりの心境で、決死の思いで告白したのに、セルディオ王子の剣呑な表情は崩れない。


「嘘ならもっとマシな嘘を吐け」


「う、嘘なんかじゃ、な・・・」


「豪華な衣装や招待状を、どんな逃亡奴隷が用意できると言うんだ」


ググッと、さらに王子の腕がノドを押す。


「どこの貴族が手引きをした? 白状しろ」


王子が納得しないのも、当然といえば当然だ。常識で考えれば王子の言う通りなんだから。


でも本当なんだから仕方ないじゃないの!


白状したくても、しようがないんだってば!


王子の袖をギュウッと握りしめながら、必死に呼吸をする。


ヒーヒーと壊れた笛のような音が鳴った。


顔も頭も、お湯に浸かったように熱い! 頭がバクバク激しく脈打って破裂寸前だ!


ブラン! ブラン助けて!

殺されちゃうよおぉ!


歪んだ頬に次々と涙が伝う。意識がぼんやり薄れてきた。


このドレスは、どこの国とも、どこの貴族とも、なんの関係も・・・。


タヌキが・・・金の精霊の、不思議な変化魔法で・・・。