タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

そんなめっそーもないモン、望んでません!


てかはっきり言って、んなモンもらったところで何の得にもなんないし!


あ、あたしが・・・欲しいのは・・・。


「か、下賜・・・を・・・」


ひどい風邪でも引いたような、細いしゃがれ声をようよう絞り出す。


「下賜? 本当の狙いを言え。どこの国から来た? どの貴族の手の者だ?」


だからやめてよ! その迷惑で激しい思い込み!


王子はあたしが呼吸できるギリギリの、絶妙な力で押さえ付ける。


あ・・・あんた、神様に仕える身でしょ!?


なんでこんな無駄に高等な殺生技術をもってるのよ!?


王子の腕をバシバシ叩き、袖をぐいぐい引っ張る。


でも呼吸が苦しくて、思い切った動きが封じられてしまっている。


「か・・・は・・・うぅ・・・」


ノドが潰される。痛い。痛い! 苦しい!


いくら吸おうとしても、ほとんど空気が入ってこない!


涙がポロポロ流れる目で、王子を見た。


苦しむあたしを平然と見返す鋭い眼つきが、あの時、あたしを睨みつけた国王の目とそっくりだ。


「さあ素直に白状しろ。それとも自分の息がどこまで続くか、試してみたいか?」


みたかないわよ! そんな無謀な挑戦!


でもこのままじゃ本当に、半強制的に危険なチャレンジャーにさせられてしまう!


もう・・・正直に言うしかない!


「あたし、刺客じゃ、ない。・・・逃亡、奴隷なの・・・」