タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

ドンッと後頭部と背中を荷物に打ちつけた。


「いてっ!」

出かけた声が、バシッと大きな手で口ごと押さえ付けられる。


何ごと!? と見上げた視線の先に、セルディオ王子の顔があった。


・・・・・・セルディオ王子? なにを?


一瞬、うわ本当に手を出されちゃった!? って焦ったけど。


でもすぐにそれは早とちりだと分かった。


セルディオ王子の顔が、目が、ひどく鋭くて剣呑な様子だったから。


「・・・何者だ?」

表情通りの険悪な声で、王子はそう問いかける。


「どうも不審に思い、調べてみた。シーロッタ・ヌゥーキー家などという男爵家は、どこにもない」


・・・・・・・・・・・・!!


やばい!! バレたーーっ!!


反射的に逃げようとした。


途端に王子がもう一方の腕で、あたしのノド元をグッと押さえる。


うぐぅっ・・・!? 

あたしは両目を見開いた。


・・・・・・き、気管が・・・。


ノドが押されて・・・呼吸が・・・・・・。


「ちなみに、遊学から戻ってきた貴族もいない。たったいま、その報告が届いたところだ」


「う・・・ぐ・・・」


「答えろ。何が狙いだ? 国王の命か? 兄上か? それとも私か?」


違う違う違うっ!!


とっさに首を横に振ろうとして、余計に腕がノドに食い込んだ。