タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「やっぱり秘宝は見つからない方がいいね」


「さすが白騎士の嫁。ミアンは賢いのである」


「聞いた? ブラン。もし見つけても黙っていなさいよ?」


あたしは確認するように、頭の上のブランの体を揺さぶった。


「うえ・・・ミアン、よせ。揺するな・・・」


「ちょっと、ちゃんと聞いてたの?」


「だから揺するなって・・・うえぇ・・・」


このぶんじゃ、大丈夫そうねぇ。


ブランの情けない声を聴きながら、あたしとおタヌキ王は顔を見合わせて笑った。



そして次の日。


約束通り、あたしはやっと復調したブランと共に、再び城へ向かった。


「白騎士、ミアン、しばしの別れである」


「おタヌキ王さま。今度こそ、オレが吉報を持って戻ります」


「うむ。・・・ミアンよ」


「なに?」


「人間でありながら、タヌキのために懸命に尽くしてくれる。ミアンは立派な、わが一族の仲間である!」


「・・・・・・・・・・・・」


「ケガや病気のないよう、元気に戻ってくるであるよ」


おタヌキ王の優しい言葉に、タヌキたちが揃って何度もうなづく。


ギュッと胸が痛んだ。


あいも変らず浮かび上がる、大きな罪悪感と・・・


切なく締め付けられるような、静かな喜びに・・・・・・。