タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

おタヌキ王が腕を組んで考え込む。


「竜神王の目、であるか。ふうむ・・・」


「おタヌキ王、なにか聞いたことある?」


「いや。聞いたことがない。本当にそんな秘宝が存在するのであるか?」


うーん・・・そうね。


考えてみたら、王さま以外は誰も秘宝を見た者はいないんだし。


王家って見栄を張りたがるからなぁ。


秘宝って自慢しながら、現物はけっこうチンケな宝石だったりしてね。


それに見つかっちゃったら、アザレア姫は不本意な結婚をしなきゃならないし。


かえって見つからない方がいいってもんだ。


スエルツ王子にも、その方が良い薬になるだろうし。


「みんな秘宝の実態なんて、ホントの所はよく知りもしないで騒いでるのね」


「それが、貴重な物質の持つ、不思議な魔力のようなものであるよ。心が抑えられなくなってしまうのである」


そうだね。その通りだ。