タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

タヌキたちを裏切ろうとしたこと。


なのにいざとなると、ためらってしまったこと。


ブランのあたしへの本心を知って、深く傷付いたこと。

そして・・・・・・


ブランのセルディオ王子への態度と、その時に感じた、あたしの気持ち・・・。


いろいろなモノが全部ゴチャまぜになって、大鍋でグルグル掻き回されてる感じ。


たくさんの要素が完全に混じり合ってしまって、どれがどうなのか分からない。


何が一番大事なのか、何をこんなに迷っているのかさえも・・・。


「ミアン、どうした?」


急に黙り込んでしまったあたしを、怪訝そうにブランが見た。


「心配するな。ミアンはちゃんとオレが守ってやる。あのセルディオとかいう王子からもな」


・・・そんなことを言われると、ますます複雑になっちゃうよ。


あたしは内心、期待しているんだと思う。


ブランの、あたしへの気持ちに。


なのに、そんなことを期待するのは愚かだと、あえて自分から拒絶もしている。


ブランは自分にとって必要な『道具』を大事にしているだけなんだって。


心の中で、ふたつの感情が強く反発しあっているんだ。


「やることはハッキリしているんだ。旅に同行すればいいだけだろ?」


「・・・・・・うん」


「じゃあ簡単じゃないか。だろ?」


「・・・うん」