タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

・・・独りぼっちで寂しいから、友だちが欲しいってこと?


しかし、一国のお姫様に友だちになって欲しいと言われても。


なんと返事をすればいいのか途方に暮れるあたしに、なおも姫は話しかけてくる。


「先ほどのシーロッタ・ヌゥーキー男爵夫人を見た時、わたくし、なにかを感じましたの」


「なにかって・・・?」


「ええ、なんというべきか・・・そう! シンパシーのようなものを強烈に感じましたわ!」


「はい? シンパシー?」


「あなたなら信用できます。わたくし、人を見る目は確かですの!」


・・・いや、それ、ただの思い込み。


だって実際あたし、男爵夫人じゃなくて逃亡奴隷なんだもん。


見る目、間違ってるから。確実に。


心の中でそう突っ込むあたしをよそに、姫は目を輝かせて一方的に話し続けている。


「シーロッタ・ヌゥーキー男爵夫人、どうか、この胸の苦しみを吐き出させてください!」


いやいや、吐かないで。お願い。


思い込みで吐き出されても、その嘔吐物の処理に困るんですが。


困惑しているあたしに、アザレア姫は滔々と話し出す。


「わたくし、スエルツ王子に騙されてしまったのです」


「・・・騙された?」


「ええ。スエルツ王子は冷徹な卑怯者です。わたくしを奸計に嵌めたのです」