タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

あいだを取り持ってくれそうな王妃様は、セルディオ様を生んですぐ亡くなられたし。


こーゆートラブルって、結局、一番冷静な人間が最後に一番損しちゃうもんなのよ。


ああ、世の中って理不尽だ。


「では父上、せめて今回の兄上の行動は、極秘扱いにしてください」


「極秘?」


「民には公表せず、お忍びで、そしてお供も、目立たぬように少数精鋭で」


「・・・・・・・・・・・・」


「どうか、せめて父上、お願いです」


再び深く頭を下げる息子を、王様は無言で見ている。


やがてクルリときびすを返し、背を向けてカツカツと歩き出した。


「・・・わかった」


歩きながら、王様はたったひと言、そう言った。


それを聞いたセルディオ王子様は、今度は安心したような息を吐く。


あたしも同じように息を吐いた。


ふー、やれやれ。王室内のゴタゴタなんて、ごめんよ?


弱みを見せたら、そのスキに外国から攻め込まれちゃうじゃん。


あたしと衛兵は、またお互いの顔を見合って微笑んだ。


どうやらなんとか無事に解決したみたいだね。

あー良かった良かっ・・・。


・・・・・・・・・・・・。


いや、良くない!


ちょっと王様っ! あなた下賜の件、すっかり忘れてるでしょっ!?


待って! まだ行かないでー!!